青空文庫
渾沌未分
岡本かの子
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あらすじ
Story都会の発展に押され場末の水泳場へ移った父娘です。水泳教師の小初は、没落していく家や都会文化の猛威に怯えながらも、その逞しさに奇妙な魅力を感じていました。遠泳会を控え、子供たちを相手に日々を過ごす中、彼女は現実的な生活を見据え、年上の材木屋の男へ複雑なまなざしを向け始めます。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 都会の猛威と自身の境遇に直面しながらも、そこに奇妙な親近感と魅力を抱く主人公の心理描写
- 伝統的な水泳の型に近代的な洗練や妖艶な魅力を織り交ぜる、一瞬の鮮やかな飛込みの場面
- 父祖の代から続く水泳場を守ろうとする頑なな父親の姿と、変わりゆく時代の冷徹な対比
こんな人におすすめ
For you- 繊細な心理描写を味わいたい人
- 近代の都市と自然の対比に関心がある人
- 独自の文体で描かれる人間模様が好きな人
時代背景
Background昭和初期、近代化の波が急速に押し寄せ、東京の市街地や周辺部が大きく変貌していく時代を背景にしています。都市の拡張が古くからの生業を追い詰めていく社会の急激な変化が、水泳場や住居の移転という形で物語に影を落としているのです。
作者について
Author岡本かの子は、大正から昭和にかけて活躍した小説家であり歌人です。豊かな感受性と独自の美的感覚に基づき、人間の情念や生命力を鮮烈な筆致で描き出しました。本作品は、その成熟期にあたる昭和十一年に発表された中編小説です。
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- 出典 発表時期:青空文庫の作品データ(初出:「文芸」1936(昭和11)年9月)