青空文庫
猿
芥川竜之介
読む
読了の目安: 約10分
あらすじ
Story遠洋航海を終え横須賀へ入港した軍艦で、突如として船内での盗難事件をめぐる総員の身体および所持品検査が始まります。候補生である「私」が検査に奔走する中、ついに盗品が発見されますが、持ち主である信号兵の姿が見当たらないことから、艦内には不穏な空気が漂い始めます。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 軍艦という特殊な閉鎖空間を舞台に、突然の検査に直面した乗組員たちの慌ただしい様子がリアルに描かれています。
- 上甲板に六百人もの裸の男たちが並ぶ光景など、軍艦ならではの独特で生々しい情景が細やかに表現されています。
- 盗品の発見をきっかけに、艦内に走る動揺と、それを目撃する「私」の冷静な観察眼との対比が印象的です。
こんな人におすすめ
For you- 軍艦での生活や人間模様に興味がある人
- 閉ざされた空間での事件の幕開けを楽しみたい人
- 淡々とした筆致で描かれる人間観察が好きな人
時代背景
Background日露戦争後の日本海軍を背景に、軍艦という極めて階級的で閉鎖的な社会の日常が描かれています。規律と統制が重んじられる一方で、乗組員たちの人間臭い動揺がリアルに映し出されています。
作者について
Author1892年に東京で生まれ、東京帝国大学英文科を卒業した小説家です。1916年に発表された本作は、「新思潮」の同人として再び創作活動を活発化させていた時期に書かれた初期の作品の一つです。
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- 出典 発表時期:青空文庫の作品データ(初出:「新思潮」1916(大正5)年9月)
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