青空文庫
酒虫
芥川竜之介
読む
読了の目安: 約12分
あらすじ
Story近年にない猛暑の支那の打麦場で、手足を縛られて裸で寝ころぶ裕福な主人劉大成と、西域から来た異形な沙門、そして儒者の孫先生が静かに佇んでいます。劉は無類の酒好きで、昼から酒を飲んでいましたが、宝幢寺の評判高い蛮僧が訪ねてきたことがきっかけで、不思議な事態が巻き起こります。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 猛暑の情景が五感に訴えかけるような、緻密で鮮やかな筆致で描かれています。
- 登場人物たちの沈黙や奇妙な佇まいが、これから起こる出来事への緊張感を漂わせます。
- 中国の古びた怪異譚の雰囲気を漂わせつつ、独特の世界観へと引き込まれます。
こんな人におすすめ
For you- 奇妙な怪異小説が好きな人
- 重厚な文章の短編を味わいたい人
- 芥川龍之介の初期作品に興味がある人
時代背景
Background大正五年に発表された本作は、中国の古典的な怪異譚や伝説を下敷きにしながら、作者独自の心理描写や現代的な洗練された文体で再構築されています。当時の日本の文学界において、古典世界を新しい解釈で蘇らせる試の一つとして位置づけられています。
作者について
Author東京帝国大学在学中から同人誌に参加して創作活動を行い、巧みな心理描写と鋭い知性に基づく短編小説で大正期の文壇に新風を巻き起こしました。本作は、初期の創作活動において中国の古材を活用し独自の芸術世界を切り拓いていた時期の作品です。
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- 出典 発表時期:青空文庫の作品データ(初出:1916(大正5)年6月「新思潮」)
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