青空文庫
唄立山心中一曲
泉鏡花
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あらすじ
Story秋の夜、信州姨捨を訪れた「私」と小村雪岱は、道に迷いこんだ薄暗い饂飩屋の二階で、奇妙な鋳掛屋から狼温泉で起きた心中行脚の噂話を聞くことになります。雪の降る山中で真紅の松明を掲げ、二人の婦人が静かに通り過ぎていったという怪しくも美しい光景が語られてゆきます。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 月の名所であるはずの姨捨山で、暗闇と冷たい霜に包まれて道に迷う旅の心細さが巧みに描かれています
- 薄暗い饂飩屋の二階という閉ざされた空間で、怪しげな鋳掛屋が語り出す過去の出来事に引き込まれます
- 雪の降る山中を静かに歩いていく二人の婦人の姿が、悚然とするほどの美しさと妖しさをもって表現されています
こんな人におすすめ
For you- 幻想的な怪異の雰囲気が好きな人
- 美しい日本語の描写を味わいたい人
- 明治期の文学に興味がある人
時代背景
Background明治後期から大正にかけて活躍した泉鏡花が、信州への旅の記憶をもとに描いた幻想的な作品です。当時の日本における山里の寂れた情景や、近代化の波から取り残されたような独特の風土が背景に色濃く反映されています。
作者について
Author石川県金沢市出身の小説家です。江戸文芸の浄瑠璃や謡曲の素養を色濃く残し、幽玄で妖しい独自の美的世界を構築しました。日本近代文学における浪漫主義の代表的な作家として知られています。
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