青空文庫
上田秋成の晩年
岡本かの子
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あらすじ
Story文化三年の春、七十三歳の孤独な上田秋成は、京都南禅寺内の元の庵居跡に間に合せの小庵を作り、老残の身を投げ込んでいました。妻と死別して身寄りもなく、世間への不満と諦めを抱えながら、煎茶を淹れて死を期する秋成の晩年の日常と心中の複雑な思いを描きます。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 孤独な老人が最少限の生活を送る小庵での暮らしぶりを細やかに描写している
- 過去の著作やかつての知人たちへの愛憎入り混じった複雑な思いが胸に去来する
- 湯の沸くのを待ちながら独自の厳しい作法と静かな気持に向き合う姿を描く
こんな人におすすめ
For you- 上田秋成の晩年の心境に興味がある人
- 江戸時代の文化人たちの人間模様を知りたい人
- 細やかな心理描写の小説を読むのが好きな人
時代背景
Background江戸時代後期、文化年間です。秋成が生きたこの時代は、本居宣長や様々な芸術家たちが活躍した成熟した町人文化の時期であり、晩年の秋成は世俗から身を引きながらも、過去の人間関係や学問・芸術への強烈な自負と不満を抱えて暮らしていました。
作者について
Author岡本かの子は、大正から昭和にかけて活躍した小説家であり、独自の絢爛たる文体と深い人間洞察で知られています。本作では、老いた上田秋成の屈折した心理と風雅への執着を、あざやかな筆致で描き出しています。
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