青空文庫
貝殻追放
002 新聞記者を憎むの記
水上滝太郎
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読了の目安: 約22分
あらすじ
Story海外留学から五年ぶりに神戸港へ帰国した青年は、迎えた家族や友人との再会を喜びます。だが、船内に押しかけてきた新聞記者たちの無遠慮な取材に巻き込まれ、撮影や短い受け答えに応じるはめになります。やがて汽車の中で手にした夕刊には、事実無根の出鱈目な記事と自身の大きな写真が掲載されており、青年はあきれと憤りを覚えるのでした。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 二年の外遊を終えて故郷の土を踏んだ主人公が、期待に胸を膨らませる瑞々しい帰国の描写。
- 船内で突如として現れ、強引に取材や写真撮影を進める粗野な新聞記者たちとの気詰まりなやり取り。
- 上陸後の列車内で買い求めた夕刊に、自身の似姿とともに掲載された事実無根の奇妙な記事に対する戸惑い。
こんな人におすすめ
For you- 明治・大正期の文学に興味がある人
- 留学帰りの心情の変化を味わいたい人
- 日常の滑稽な一コマを楽しみたい人
時代背景
Background大正期に入り、海外留学から帰国する若者が増えた社会背景を反映しています。近代的なメディアが台頭し、新聞や雑誌が個人のプライベートや噂話を面白おかしく報じ始めた時代の空気感が、主人公の戸惑いを通してリアルに描かれています。
作者について
Author水上滝太郎は、大正から昭和初期にかけて活躍した小説家であり評論家でもあります。実業家としての顔も持ちながら、都会的な洗練された視点でサラリーマンや知識人の日常を描きました。本作は自身の海外留学経験や帰国時の体験を下敷きにした、軽妙洒脱な初期の代表作です。
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