青空文庫
檸檬
梶井基次郎
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読了の目安: 約9分
得体の知れない不吉な塊に押さえつけられた心に、ひとつの檸檬が灯した小さな爆弾。
あらすじ
Story理由はわからないものの不吉な塊に心を圧えつけられ、美しい音楽や詩すら辛抱できなくなった「私」は、街から街へと浮浪し続けています。見すぼらしくて美しい裏通りを好み、京都から遠く離れた知らない街にいるという錯覚を楽しんでいます。生活に金はなく、安っぽい駄菓子やびいどろの玩具に微かな贅沢と慰めを見出す日々を送っています。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 心身の不調や借金に苦しみながら、街をさまよう主人公の不安定な心理を描いています。
- 華やかな表通りではなく、崩れかけた家並みや汚れた洗濯物がある裏通りに惹かれています。
- 絵の具で描かれた安価な花火やガラスのおはじきなど、細やかな描写が静かに響きます。
こんな人におすすめ
For you- 不安な心理描写に惹かれる人
- 日常の微細な感覚を味わいたい人
- 静謐な文体の文学を好む人
時代背景
Background大正時代末期の日本で書かれました。当時は第一次世界大戦後の不況や関東大震災の余波があり、若者たちの間には閉塞感が漂っていました。主人公が抱える神経衰弱や経済的な困窮は、当時の不安定な社会状況や、近代化の影を色濃く反映しています。
作者について
Author明治末期に生まれ、昭和初期に短い生涯を閉じました。結核を患いながら独自の美意識を追求した作品を残し、その繊細で詩的な心理描写は、のちの近代文学において高く評価されています。
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