青空文庫
潮風
――「小悪魔の記録」――
豊島与志雄
この作品は、お住まいの地域ではまだ著作権の保護期間中か、保護期間が終わっていることを確認できていないため、本文を公開していません。
あらすじ
Story夜更けの小料理屋に酔った片野がやってきます。店を営む芳枝と他愛のない口論を交わしつつも互いを求め合う二人は、結婚や将来への不安を抱えていました。花瓶に住む小さな語り手の視線が見守る中、酒を酌み交わす男女の屈折した愛情と気詰まりな夜のひとコマが静かに描かれていきます。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 花瓶に住む一風変わった語り手の視点が、人間たちの痴話喧嘩をユーモラスかつ醒めた眼差しで浮かび上がらせる点。
- 結婚を踏み切れない理由や将来の不安を抱えながら、愛の遊戯に興じる男女の心理の機微が細やかに描かれる点。
- 夜更けの小料理屋という限定された空間で繰り広げられる、酒席ならではの湿り気を帯びた会話の雰囲気。
こんな人におすすめ
For you- 人間心理の機微を描いた小説が好きな人
- 一風変わった視点を持つ物語に惹かれる人
- 落ち着いた筆致の近代文学を読みたい人
時代背景
Background昭和の初め頃、都市に生きる人々の一面を切り取った作品です。当時の世相を背景にしつつも、社会的な大事件ではなく、男女の私的な関係や心理の揺らぎに焦点を当てて描かれています。
作者について
Author豊島与志雄は、大正から昭和にかけて活躍した小説家・翻訳家です。人間の内面にある複雑な感情や日常の機微を穏やかな筆致で描き出す作品を多く残しました。
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- 出典 発表時期:青空文庫の作品データ(初出:「中央公論」1937(昭和12)年5月)