青空文庫
古木
――近代説話――
豊島与志雄
この作品は、お住まいの地域ではまだ著作権の保護期間中か、保護期間が終わっていることを確認できていないため、本文を公開していません。
あらすじ
Story終戦後、公職を去り自宅に籠りがちだった柴田巳之助は、病に倒れました。病床から眺める庭の巨大な椎の木は、空襲の火災ですっかり焦げ、枯死しかけていました。自らの衰えと重なるその木を巡り、巳之助はかつての妻との思い出を胸に、伐採を切り出します。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 戦火に耐えながらも火焔に包まれて焦げ果て、枯死しかけていく庭の巨大な椎の木の圧倒的な存在感を描いています。
- 病床の窓からただ枯れ木を見つめる中で、若き日の記憶や妻との思い出が静かに蘇る心理描写が展開されます。
- かつて夫婦で誓い合った若い頃の鮮やかな情景と、老いて病に沈む現在の対比が静謐な筆致で綴られます。
こんな人におすすめ
For you- 静かな文学作品を味わいたい人
- 戦後の情景を描いた小説を読む人
- 人間の心理の機微に触れたい人
時代背景
Background第二次世界大戦が終結した直後の昭和二十一年六月に発表された作品であり、戦災の爪痕が残る社会背景や、大きな時代の転換期に直面した人々の複雑な心情が色濃く反映されています。
作者について
Author明治末期から昭和にかけて小説や翻訳など幅広い分野で活躍し、人間性の内面を鋭く見つめる作風で知られる作家であり、本作は戦後の混迷期における心理の機微を描いた重要な作品の一つです。
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- 出典 発表時期:青空文庫の作品データ(初出:「暁鐘」1946(昭和21)年6月)