青空文庫
悟浄歎異
―沙門悟浄の手記―
中島敦
この作品は、お住まいの地域ではまだ著作権の保護期間中か、保護期間が終わっていることを確認できていないため、本文を公開していません。
西遊記の沙悟浄が、師匠と仲間たちをそばで見つめて書きとめた手記。
あらすじ
Story三蔵法師の供をして天竺へ向かう道中、沙悟浄は師匠の馬上で休みながら、隣で変化の術の練習をする八戒と悟空の様子を眺めています。圧倒的な才能と情熱を持つ悟空の姿を眩しく見つめつつ、沙悟浄はその圧倒的な存在感や、自らの内に抱く複雑な思いを静かに語り始めます。
物語の序盤までの紹介です。結末には触れていません。
読みどころ
Highlights- 圧倒的な生気と情熱に満ち溢れた悟空の姿が、細やかな筆致で生き生きと描かれています。
- 文字の教養を持つ自分と、文字を持たぬまま世界を直接的に捉える悟空との対比が印象的です。
- 西遊記の馴染み深い登場人物たちの新たな内面が、独特の静謐な文体で浮かび上がります。
こんな人におすすめ
For you- 人間心理の綾を描いた物語が好きな人
- 西遊記の登場人物の別の顔に興味がある人
- 静謐で深い味わいのある文章を好む人
時代背景
Background中国の古典小説『西遊記』を下敷きにしながら、近代的な自我や人間の孤独を色濃く反映させて描かれています。作者が晩年に好んで取り組んだ翻案小説の一つであり、人間の内面的な葛藤を巧みに表現しています。
作者について
Author漢文の響きをもつ格調高い文体で、人間の弱さと誇りを描きました。明治末期から昭和初期にかけて活躍した小説家です。中国古典への深い造詣をもとに、独自の視点と洗練された文体で人間の心理や業を浮き彫りにする優れた翻案小説を数多く残しました。
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